News(2014/05/05)- テレジアンカンテレ/TERESIAN KANTELE
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■News(2014/05/05)更新

フィンランドで4月より公開されているドキュメンタリー映画『Song/Laulu』は、ヴィエナ・カレリアの最後のルノラウラヤ(口頭で親族から伝統詩歌を受け継いできた歌い手)であるユッシ・フオヴィネン(Jussi Huovinen)と彼の教え子であるハンネリーナ・モイッセイネン(Hanneriina Moisseinen)の姿を描いた作品です。

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Sing/Laulu
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画像:映画「Laulu」オフィシャルHPより

原題:Laulu
英題:Song
製作国:フィンランド
製作年:2014年
上映時間:79分
監督・脚本:セルマ・ヴィルフネン(Selma Vilhunen)
編集:オック・ヌーティライネン(Okku Nuutilainen)
言語:フィンランド語
テキスト:英語

【内容】
書き言葉が生まれる以前、歌が言葉の代わりを成していた。
全ての知識や知恵は、歌を通じて次の世代へと親族間で伝えられていた。

ヒエタヤルヴィ村最後の住人であるユッシ・フオヴィネン。彼はヴィエナ・カレリアに現存する最後のルノラウラヤであり、自身の父母より古くから伝わる伝統詩歌を口伝えで受け継いできた。
ヴィジュアルアーティスト、漫画家であるハンネリーナ・モイッセイネン。ユッシが受け継いできた歌や、歌に隠された先人たちの知恵を学び、理解したいと考えている。

映画はハンネリーナとユッシ、2人の半年間の姿を追ったものである。
ラウル(歌)には時間と空間を越え、人々を結びつける力がある。やがて歌は、彼らの心に潜む痛みを和らげ、喜びと幸せを共有させていく。

映画「Laulu」オフィシャルHP
[フィンランド語/英語]
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ユッシ・フオヴィネンの祖先は、フィンランドの民族叙事詩『カレワラ』の編纂を行ったエリアス・リョンルート(Elias Lönnrot)が多くの詩歌を採取したトゥアリエ・フオヴィネン(1760–1861;Toarie Huovinen)まで遡り、その間ずっと父母から子へと、口頭で詩歌が語り継がれてきました。
カンテレを伴奏に用いたルノラウル(伝統詩歌)、フィドル(ヴァイオリン)や笛類の演奏・・・口頭で伝統を受け継いできた彼は楽譜が読めず、それらは全て彼自身の身体に刻み込まれた記憶によって奏でられます。

ハンネリーナ・モイッセイネンが自らの心の闇と向かい合い、描いた作品「父/Isä」は、2013年フィンランディア漫画賞(フィンランド人による称賛に値すべき漫画を称えて毎年贈られる賞)の候補作品に選ばれました。

セルマ・ヴィルフネン(Selma Vilhunen)監督は、2014年2月に行われた第86回アカデミー賞短編映画賞に「結婚式の朝 /Pitääkö mun kaikki hoitaa?」(2012)がノミネートされ、一躍注目を浴びています。
「Sing/Laulu」では、フィンランドのルノラウル伝統を通し、過去と現在の狭間に漂う生を見つめています。

役者の揃った、何とも贅沢な作品と言えるのではないでしょうか。
ぜひ見てみたいですね。
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